1968年のバイク世界一周旅行

その102


旅の仕方にもいろいろある。
飛行機、鉄道、船の旅は快適さ、時間の節約
と利点はあるが、
自分の意志通り、自由に移動できない欠点もある。


バイクの移動は事故の危険もあり、
一般的に移動は昼間であり、
観た旅の風景は、出発地から到着地まで、
途切れがないという利点はある。


飛行機や鉄道の旅は、一足飛びに空間や夜間を苦労少なく
目的地まで移動できる。


だが、映画を最初から最後まで通して観ず、
途中を飛び飛びに観て、小説を飛ばし飛ばし読んだ人が、
その観たり、読んだりした映画や小説の内容を話す
人よりも、一気に通して観たり、読んだりした人の話の方が
その内容に真実味がある



バイクを旅の移動機関として、途切れなく米国大陸、
ヨーロッパ大陸、中近東の道を走った私の話は
他の交通機関を利用した旅よりは、
正確に真実を観たと自負している。


1970年代、香港近から中近東をヒッチハイクし、
ロンドンまで行く若者の物語、あれは小説であるが、
あの作者も中近東の砂漠をバスで移動したようだが、
多分、夜もバス移動したことを後悔しているのではなかろうか。


私は帰国後すぐ航空会社に就職したいため、
その就活に必死で、バイク世界一周旅行のことなど忘れ、
気が付いたら、定年を迎え、平凡な年金生活をしていた。


ある日、級友との飲み会の席で、若い時の話になった。