1968年のバイク世界一周旅行

その7


ホテルは、出発前、神戸の米国領事館で教えてもらった
日本語の通じる小林ホテル(ワイキキ・グランド・ホテル)、
と決めていた。
外国人と話したこともない私は、
空港からホテルまでのタクシーに乗るだけでも、
怖く、緊張し、話しかけるてくる運転手に
英語がわからず、ただ、「I see」の連続だった。
ホテルはホノルル動物園の前にあった。
タクシー料金は$4.50。


そのころの日本人の、ほとんどが、そうであったように
旅館しか泊まったことのない私は
先進国アメリカのホテルに戸惑い、
部屋のトイレ、バスタブ、ベッドなど
すべてが、初めて経験するもので戸惑ったが、
記念にとベッドに寝っ転がっている姿まで
自動シャッタで写真に撮った。


バスタブの中で体を洗うので、垢がタブの周りに着くし
体全体を日本の風呂のよう沈められないので、
風呂に入った気にならず、
今でも外国のバスタブは嫌いである。


食事も英語のメニューで分からず
片言の日本語を話す日系ウェイトレスに任せると、
バラバラにしたレタス、チーズ、トマトなどを盛った
皿と餅の形をしたパンを持ってきたが、
その食べ方がわからず、
彼女に教えてもらい、
皿のものをパンに挟み、ケチャップをかけたべた。
それは今なら子供でも知っている
ハンバーガーであった。