1968年のバイク世界一周旅行

その34


ルート66


フラッグスタッフからルート66を東へ
五十六キロほど走ると、
単に「233」と記した標識の出口があり、
その横に「Meteo Crater(メテオ・クレーター)」と、
注意していないと見過ごしそうな案内板があった。


そうか、ここのことかと想像を膨らましながら、
出口を出て南へ十キロほど走ると、
赤土色の大平原にバスほどのものから、
車ほどの大きさの岩が点々と転がっていた。


そして突然、大平原の中に約五億年前、隕石が衝突して出来た、
世界最大級のクレーターが現れた。


何も突起物のない平原に、転がっている岩は
隕石の衝突で、土からはじき飛ばされた岩であることは
一目瞭然であった。


クレーターの横には近代的な建物があり、
博物館になっており、隕石の衝突による砂塵は
ハワイまで飛んで行ったとか、風化せず残っている
世界で唯一貴重なクレーターとか
興味ある資料が展示されていた。


直径四十メートルほどの隕石が地表に衝突し、
直径約一・四キロ、周り約四キロ、深さ約百五十メートルの
お椀型をしたクレーターを造った。


真空のような音のないクレーターの淵に座り、
宇宙が造りだした神秘な創造物を眺めていると、
想像が無限に広がり、
時間のたつのも忘れていた。


月へ行ったNASAの宇宙飛行士たちも
このクレーターで訓練したそうだ。